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RACING LABORATORY クルマの構造&特性
 
人間の器官と同じように、クルマはその役割によって
いくつかのパートから構成されている。
その構造や特性などすべてを完全に把握するのは難しいとしても、
どの部位がどんな役割を担っているのか、
ある程度の知識は持っておいて欲しい。
愛車のチューニングやカスタムにも、きっと役立つはずだ。
 
吸気、圧縮、爆発、排気を繰り返すことでパワーを生み出す
  クルマを構成する要素は、大別するとエンジン、吸排気系、電気系(点火系含む)、駆動系、足回り、ボディに分けられる。速く走らせるためにはどれも必要不可欠なパート。そして、そのバランスも非常に重要だ。何を優先するのかによって、使うパーツやセッティングは異なってくる。F-1 などトップカテゴリーのレースでは、サーキットによって、また天候や路面状況によってクルマをセットアップするのだ。初回となる今回は、クルマの心臓部とも言うべきエンジン系のパーツをいくつか紹介しよう。  

エンジンが動く仕組みは、クルマ好きの方ならばおおよそ理解していると思うが、一応説明しておこう。ここで取り上げているのは4ストロークのガソリンエンジンなので、その名の通り吸気から排気までの 4 つのサイクルで 1 行程として動いている。

1:空気とガソリンとの混合気をシリンダー内に吸い込む(吸気)。
2:吸い込んだ混合気を押し縮める(圧縮)。
3:圧縮された混合気に火花を飛ばし点火、そして爆発させる(爆発)。
4:燃えた後に残る排気ガスをエンジン外部へ出す(排気)。

これら一連のサイクルを効率よく行うことが、より大きなパワーを出すためには必要なのだ。また、そうした同じ 4 つの行程を繰り返すガソリンエンジンでも、その特性はメーカーや車種、そして乗り手のチューニング方法によってまったく異なったものになる。
トルクはタイヤを回転させる力 そして馬力は仕事量のこと
街乗りなど低速域での乗りやすさを目的とした、トルク重視のエンジン。また、スポーツ走行やレースなどでの使用を目的とした、高回転型エンジン。クルマのエンジンには、その目的によって様々な特性があり、一概に先述の 2 タイプに分けられるわけではない。大別するとあらかたどちらかに属することになるだろう。トルク重視のエンジンとは、低速時のエンジン回転が低い段階から力を出せるエンジンだ。ゆえにストップアンドゴーの多い、街乗りに向いた特性であるといえる。一方、高回転型エンジンとは低速トルクは細くても、高回転域まで回すことによってより大きな力を発揮することができるのだ。カタログなどでもよく目にするトルク(N・m もしくは kg-m)とは、回転軸を回す力のこと。要するにタイヤを回す力である。そしてもう一つ、出力(kW もしくは ps)というのは仕事量のことだ。仕事量はトルク × 回転数で求められるので、最高回転数が増せば基本的には仕事量が増える計算になる。しかし、ピークとなる回転数を超えてしまうと、出力はトルクの低下と共に下がってしまう最高出力を発揮するピーク時の回転数が大きければ大きいほど、より高回転型のエンジンであるといえる。ちなみに、SI 表示による kW に換算する場合は、ps に 0.7354 を掛けてやればよい。



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