直列エンジンの説明のところでも述べたように、V
型エンジンはシリンダーを V
字型に配置したものだ。エンジンの全長を短くすることができるので、6
気筒以上のシリンダーを必要とするような大排気量のクルマは、その多くがこの方式を採用している。全長が短くできると多気筒化に伴う、クランクシャフトのねじれも発生しにくい。また、一本のクランクシャフトに対して斜めにシリンダーが配されているため、直列に比べて全高を低くし重心を下げることができるのだ。しかし、部品点数が多くなり、構造も複雑になってしまうという短所も持ち合わせている。
基本的に V
型エンジンは振動が少なく、高回転型に適したエンジン方式といえる。しかし、V
字の角度(バンク角)によって、その特性にも違いが出てくるのだ。シリンダー数による点火タイミングや点火順の違い、クランクシャフトのカウンターウエイトの配置によって異なるバンク角は、大別すると「峡角」と「広角」の
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種類に分類される。機構学的に峡角型は高回転に適しており、広角型はトルク重視の設計。もちろん、その特性はバンク角だけで図ることはできないが、そんな特性を理解したうえでクルマのエンジンをチェックしていくと意外と面白いかもしれない。同じ排気量の
V8 なのに、90 度や 60 度があったり…。
ちなみに、現代の F-1 に搭載されているエンジンは、すべて V 型である。もちろん、過去には直列、水平対向、W
型なんていうものも存在した。現在もレギュレーションでは、3000cc の自然吸気型エンジンで 10 気筒とだけ決められているから、V
型以外のレイアウトも可能である。しかし、10 気筒ともなると直列では全長が長くなりすぎてしまい、収めようとすると空力面で非常に不利なフォルムになってしまうのだ。112
度 という超広角のエンジンを投入したチームもあったが、2000 年 シーズンにフェラーリ チームが採用した
90 度 のバンク角が現在の主流となっている。F-1 レベルのエンジンともなると、エンジンの低重心化だけでもかなりの性能差が生まれるようだ。「重心位置を
1mm 下げるだけで、ラップ タイムに影響が出る」という、技術者の話もあるくらいである。
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