 |
普通クルマを買おうとした場合、その“見た目”が大きなポイントとなる。
しかし、市販車モデルもレーシングカーも、
その性格を決定づけるのは“中身”である。 エンジンと駆動方式の違いで、 まったく異なるドライビングフィールになるのだ。
|
|
 |
 |
クルマを動かすための動力源であるエンジンには、さまざまなタイプがある。もちろん燃料の種類や排気量、シリンダー数、シリンダーの配置によっても違いはあるが、ここではまず、弁機構について説明しよう。
弁機構というとちょっと小難しく聞こえるが、カタログには必ず記載されているし、クルマによってはデカールがボディに貼られていたりする。ようするに
OHV
や
SOHC、DOHC
と表記されているもので、吸気と排気を各シリンダーごとに行うバルブの制御形式を表したものだ。現在の乗用車では、先述の通り
3
つのタイプがあり、バルブ数は
1
気筒あたり
4
つというのが主流である。
まずは
OHV
(オーバー・ヘッド・バルブ)。基本設計が古いエンジンに多く見られる形式だ。クランクシャフトの近くにカムシャフトを配しており、ピストンの上部に位置するバルブとカムシャフトに距離があるため、バルブを開閉するためにプッシュロッドと呼ばれる棒を用いている。高回転での開閉効率が悪く、レーシングカーなどのスポーツエンジンには不向きだ。
SOHC(シングル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)とは、OHV
での問題点を解消すべく登場したシステムである。文字通り
1
本のカムシャフトをバルブのすぐ上に配置しており、高回転域でも安定した作動を実現。現代のクルマとしては、標準的な弁機構だ。
そして
DOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャフト)は
SOHC
の発展版で、吸排気を行うバルブの開閉を
1
本ではなく
2
本にしたもの。吸気用と排気用それぞれに独立したカムシャフトを配することで、バルブタイミングを完全に単独制御することが可能になった。そのため、より高回転化を図ることを実現。俗に言うツインカムも、この
DOHC
のこと。
|
 |
 |
 |
 |
エンジン内での爆発によるパワーを、タイヤへ伝える役割を担っているのが駆動系システムだ。エンジン形式にいろいろあるように、この駆動系にもいくつかのタイプが存在する。エンジンのレイアウト位置と駆動輪の位置関係から、 FF、FR、MR、RR、4WD
と呼ばれるそのシステムは、クルマのドライビングフィールを決定づけていると言っても過言ではない。初回である今回は、そんな5つの駆動方式の特徴を簡単にまとめてみた。
FF(フロントエンジン・フロントホイールドライブ)とは車体前方にエンジンを配し、さらにその真下にある前輪を駆動輪としている。舵取りの役割を果たす前輪を駆動輪にしているため、操舵性は非常に高い。また、使用する部品点数が少なくて済むから、生産性に優れコストダウンにも貢献している。ドライブシャフトが必要ないから、車内空間をその分広く活用することもできるのだ。
一方、エンジンの位置はそのままに後輪を駆動輪としたものが、FR(フロントエンジン・リアホイールドライブ)だ。
5
つのタイプの中でも、最も歴史のある駆動方式である。前輪と後輪で舵取りと駆動を役割分担できるから、車体姿勢の自由度が高く、クルマの動きはとてもナチュラル。
MR(ミッドシップエンジン・リアホイールドライブ)は、スポーツカーにとって理想的なレイアウトだ。車体中央にエンジンを乗せ、後輪で駆動させるスタイルは、モータースポーツの頂点である
F-1
も同じ。オーバーでもアンダーでもなく、操舵性は非常にニュートラルだ。
もはやポルシェのお家芸となったRR(リアエンジン・リアホイールドライブ)。一般乗用車では
911
シリーズのみ。リアにエンジンをレイアウトし、なおかつ後輪駆動であるクルマの最大の武器は、何と言ってもその加速性能の良さだろう。ちなみに、路線バスや観光バスなども基本的に
RR
だ。
そして最後は4WD(フォー・ホイールドライブ)。これは他のタイプよりもご存知の方は多いだろう。エンジンの搭載位置にかかわらず、4
輪すべてが駆動輪となるシステムだ。構造の複雑さは否めないものの、運動性能は
5
つの駆動方式の中で最も優れている。AWD(オール・ホイール・ドライブ)とも呼ばれる。
|
 |
 |
| ▲ページTOPへ |
 |
 |